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2005年をむかえて
新年明けましておめでとうございます。
とはいいましても、昨年は、日本国内において台風による水害や地震による大きな被害が多くの人を苦しめ、胸が痛む年越しとなりました。さらに年末にはスマトラ沖地震が発生し、津波の被害が南北問題を背景に甚大なものとなりました。これに対し各国の支援も、各々の思惑が見え隠れし、復興の名のもとに覇権争いの様相を呈しています。しかし、わたしたちは「国家のため」ではなく、「被災者のため」に自分のできる範囲で協力することが大切ではないでしょうか。
あらためまして昨年は、当センターにご支援ご協力を賜りまして、誠にありがとうございました。おかげをもちまして、例年の事業である研究集会、リーダー育成一泊研修会、就職ガイダンス、啓発セミナー等の事業を滞りなく終えることができました。これもひとえに会員の皆様方のあたたかいご協力のおかげと重ねて御礼申し上げます。また、企業学習会のみなさま方にも一方ならぬご尽力をいただき心より感謝申し上げます。
この一年間を振り返ってみますと今までの事業に加えて、一昨年来の「旧植民地出身高齢者の年金補償裁判」支援や「ハングル教室」開設、そして12月には「多民族・多文化ともだち広場」という子ども会を発足する運びとなりました。特に子ども会は、普段点在しているニューカマーの子どもや親たちが、互いに出会い、母国語で話し、励ましあえる場として多くの方々の協力で実現しました。発足記念のクリスマス会は久しぶりに話せる母国語会話に笑顔が絶えず、普段の辛さを忘れるひとときとなりました。教育における問題や課題は増える一方ですが、遅々として解決していないのが現状です。一人でも多くの子どもたちが集える場になれるよう、ご協力をお願いいたします。
その他ネットや電話による相談が増えており、当センターの周知度が上がってきていると思われます。しかしその反面、メールで差別文言を送りつけられるなどの嫌がらせもあり、社会の中の陰湿な、外国人を排斥しようという動きが浮かび上がってきています。
また、外国人をリスクの対象者として見ることから生じる新たな排除や、在留資格の永住者と非永住者の選別等、外国人を「疑わしい人」と決めつける差別事象が明らかになってきました。これらは無知や無理解の範疇ではなく、意図的に外国人を受け付けない姿勢であり、制度的改革や社会倫理の課題としての取り組みも必要となってきています。
あわせて9月には大阪府下において人種差別による入店拒否事件もあり、その裁判が12月に始まり、当センターとしても支援しているところです。
その他、各地で外国人に対する入店や入居拒否が相次ぎ、多くが泣き寝入り状態です。今、人権基本法や差別禁止基本法等の制定に向けての動きが活発化しようとしています。法による規制が必要とは情けない限りですが、外国人の人権を守るための要件としては一日でも早い制定を望むところです。
ところで、この一年は「韓流」ブームに沸いた年でしたが、「韓国」との交流が深まり理解や好感度が高まったことは素直に歓迎したいと思います。しかしそれが「在日コリアン」への理解にも繋がっているかというと必ずしもそうではありません。主に一連の報道により、本国に住む人と私たちとでは、共通の部分もあれば、違いもあるということがなかなか理解されにくいようです。あわせて、朝鮮半島が北=悪、南=善という二極に対峙させられ、人々の心の中にまで38度線が引かれてしまうのではないかと危惧しております。しかし今まで築けなかったこの流れを一過性のもので終わらせないためにも、真の意味での人と人の心の交流を大切にしたいものです。
今年は戦後60年(朝鮮半島では解放60年)、韓国併合95年という年です。旧植民地出身者は今や5世6世をむかえています。あまりにも長過ぎた隣国との緊張関係は、南との間でやっと雪解けの兆しを迎えても北との関係は未だ糸口も見えません。そんな中「在日コリアン」は、北でも南でもない独自の立場、独自の文化を日本の中に築いてきました。多様化している「在日」の理解は非常に難しいともいえます。当センターにおいても、「在日」についての研修は機会あるごとに行ってきたつもりでしたが、認識不足による新たな問題等も発覚しており、改めての取り組みの必要性を痛感しているところです。古くて新しい「旧植民地出身者」とその子孫の問題は、新定住外国人にも共通の課題であることは言うまでもありません。
日本国内においては景気が回復の兆しにあり、徐々にではありますが労働力の需要が高まっています。それに伴い、ますます定住外国人は増加の一途をたどるでしょう。今後は当センターに求められるものも多様化し複雑化してくるものと予想されます。関連団体や行政、会員の皆様のご支援をいただきながら、センターとしてスキルを高め、あらゆることに対処できるべく努力をしてまいりたいと思います。今年もどうかよろしくご支援、ご協力お願い申し上げます。
多民族共生人権教育センター理事長 李美葉
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