多民族共生人権教育センター
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オピニオン ひとりごと−多民族・多文化共生社会に生きる今−

ひとりごと −多民族・多文化共生社会に生きる今−

 2001年2月、想像だにしなかった話が、舞い込んできた。正直云って悩んだが、1週間後には、過去に経験したことのない開き直りの自分がそこにはあった。何故か?未だにわからない。それが大阪同和・人権問題企業連絡会の理事長を承諾した時の経緯である。
 この4年間、多くの人に支えられ、なんとかその任務を終えることができたことを、あらためて同志の皆様に、心から御礼申し上げたい。

 また、その間、多くのことを学ぶことができたその一つに、「人権問題」を推進していくうえで、次の大事なことを忘れている人が意外と多いのに気付いた。

 ●人権は自分の問題として考えること。
 ●自分がしてほしいことを、先ず相手にしてあげること。

 この理念は、過去、幾多の場で教えられてきたにもかかわらず実践出来ているとは言えない。
 人それぞれの違いを認め、尊重し、だからこそ価値がある社会であり、その中で、精一杯小さな幸福を求めて生きていくことが共生する社会であり、人権が尊重される社会であることを素直に確認できる場にしていかなければならない。
 「自分さえよければというわがままな言動」その結果として「対立意識」が芽生え、違いを主張する人を排除することに連動している現実をどう捉え、どう対応していくのかが、今問われている多民族共生社会の構築にあたって大事な視点である。
 「相手を理解する」簡単な言葉であるが、この実践は難しい。私自身、このことが出来ていないことを知った日からは、日程のやりくりに苦労した。こちら立てれば、あちら立たずが生じ、日程調整に悩み、精神的にも、肉体的にも疲れた時があった。そんな中で、私の出来る範囲内で、今、求められている人権の世紀実現をめざして歩んできた。

 しかし、現実を具にながめた時、急がねばならないことがたくさんある。
 1.少子高齢化問題
 2.多様な雇用形態への取り組み
 3.就職困難者の雇用実現
等々、企業が真正面から取り組まなければならない問題が山積している。これらの具現化こそが、今、企業に発信されている企業の社会的責任(CSR)であり、それを、国際標準化機構(ISOの認証制)にしていこうと国際的な場で各国の関係者が議論している。

 就中、人口の減少は、企業にとって大問題である。2007年をピークに、その後1億2千万人を切り、スピードを速めながら減少していくことになる。当然、現在の生産性を維持するためには、高齢者や女性の労働力を活用しても足りない。したがって、異民族・異文化である外国人労働者を受け入れる企業風土を作っていかなければならない。
 その主流に「研修」・「啓発」がある。多くの企業の「研修・啓発」は同和問題に始まり、それを深く掘り下げる中から、あらゆる人権問題の根っこがそれと同じであることに気付き、遂一、研修内容の裾野を広げてきた経緯がある。

 ところが、外国人問題の研修については、初期の計画通り推移していないのが実態である。歴史的認識を十分理解せずに研修を担当しているケースも、その要因のひとつと言えるであろう。このことをしっかり学び、人権学習の原点である自分事として捉え、研修を継続していくことが肝要である。
 企業活動は社会が発展し、変化していくための核になるものである。その採用活動において人種差別をせずに、本人の能力・適正を重視する公正採用選考を実施することが必要であり、採用後も法を遵守し、違いを認め合い、多様な民族性や文化性を持つ人達を採用していくことこそ、多民族・多文化共生の社会を創造する重要な要因であり、最大の啓発である。
 ごく身近な東アジア諸国と「人権」というキーワードのもとに、経済・文化のホットラインを構築していかなければならない。その実現は、今日の我が国の現状を考えた時、極めて重要であると言える。そのためにも、外国人に関する法整備も必要であるし、同時に、戦後補償に関わる問題についても、真摯に議論し、それらが実現可能なシステムを考えていきたいものである。その実践こそが「平和」と「希望」という人権の世紀であるシンボルを次世代へ橋渡しすることになると信じたい。

多民族共生人権教育センター 理事  
(前大阪同和・人権問題企業連絡会理事長)
田中 昭紘


 

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