多民族共生人権教育センター
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オピニオン 多文化な子どもたちと私達をつなぐ連続セミナー

多文化な子どもたちと私たちをつなぐ連続セミナー

 「多文化な子ども」と呼ばれる、両親あるいはどちらかが母語を日本語としない子ども等、複数の多文化背景を持つ子どもに対する支援活動が現在、さまざまな地域で実施されています。多文化共生センターでは1998年より「多文化子どもプロジェクト」として、学校への通訳派遣や中学生を対象とした多言語進路ガイダンスの開催などの活動を展開してきました。その活動を通じて浮かび上がってきた、多文化な子どもたちが抱える問題は多岐に渡ります。日本語習得、母語保持、周囲との人間関係、教科学習、進路など、子どもたちが自尊感情をもって、いきいきと暮らせるようになるには、さまざまな場面でさまざまな支援が求められています。

 大阪市内の小中学校には「帰国した子どもの教育センター校(以下センター校)」という制度があり、合計8校で日本語教育の必要な児童・生徒に対し、取り出し授業による日本語指導と母語教室が開かれています。しかし、センター校での教育だけでは十分とは言えず、特に中学生にとっては日本語学習に加え教科学習の負担が大きく、休日に教員がボランティアで学習支援をしても追いつかない状況があります。更に高校へ進学した多文化な子どもたちの中には教科学習についていくのが難しく、センター校の教員を頼ってやってくるといった例も見られます。

 あるいは母国の中学校を卒業してから渡日し、日本の高校の受験を希望するものの、日本の中学では制度上受け入れができず、一般的な日本語教室では教科指導が受けられず、本人の希望がかなえられないといったケースも近年、見られるようになってきました。また、問題がようやく顕在化してきた不就学の外国人児童・生徒にとっても、学校だけでない地域の受け皿の必要性が叫ばれています。

 こういった状況を改善するため、センター校の教員有志と多民族共生人権教育センター、多文化共生センターが協働して多文化な子どもたちの学習支援と居場所づくりを行うこととなりました。教科を理解するための日本語習得や教科そのものの理解への支援に加え、仲間が集い共に成長しあえる場となることをめざして、週末に多民族共生人権教育センターの事務所の一部を開放していただき、ボランティアの手で学習支援教室を運営することにより、継続的な活動を確立することを目標としました。

 その第一歩として、学習支援教室の運営を担うボランティアの育成を目的として日本財団の助成を受けて開催したのが「多文化な子どもたちと私たちをつなぐ連続セミナー」です。多文化なこどもたちと直接関わるボランティアが、子どもたちの背景や状況に十分な理解をもち適切な対応をとることができるよう、民族化・多文化化する日本社会の現状から外国人に対する教育の歴史、教育現場でおこっていること、子どもたちへの対応のスキルなどを学ぶ機会として全6回のセミナーを実施しました。また8月20、27日には「夏休みの宿題を見る会」として学習支援教室をテスト的に開催しました。

 セミナーには毎回、10名以上の参加があり、受講者の方々には大変意欲的に取り組んでいただき、好評のうちに終了することができました。今後はセンター校の教室見学やセンター校を土曜日に使用させてもらっての交流会の開催などを通じて生徒との親交を深め、学習支援教室への参加がスムーズに進むよう計画しています。年内には学習支援教室をオープンさせ、ボランティアが中心となって毎土曜の午後に実施していく予定です。

 センター校の生徒だけでなく、高校・大学に進学した子どもたち、更には地域の多様で多文化な子どもたちが集える開かれた場所となるよう、ボランティアと共に取り組んでいきますので、皆様のご協力・ご支援をよろしくお願いします。

(特活)多文化共生センター・大阪事務所 事務局長 中村満寿央

 

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