多民族共生人権教育センター
ホームへ オピニオンへ ニュースへ 組織紹介へ リンクへ メール送信

 

オピニオン 学習支援教室に集まろう!!

学習支援教室に集まろう!!

1.学習支援教室の必要性

 近年、外国人児童生徒数は増加を続けており、筆者の勤務する阿倍野中学校センター校においても、昨年度は約30名(6言語)の生徒が日本語や日本の文化、習慣について学習してきました。どの生徒も実に様々な場面や人との出会いに、多くの体験を重ねながら成長しています。
 子どもたちは、それまで生活してきた国と日本との言語や習慣、気候風土など多くの違いを乗り越えていかねばなりません。私たちはこの「違い」が実感として理解できていない事が多々あり、その結果として心ならずも何度も無理を強いてしまうこともあります。
 例えば、外国から日本に来て1〜2カ月でクラスメートと共にテストを行うが、生徒にとってどんなに暗澹とし、胸がつぶれる思いがするかということは比較的理解しやすいことです。しかし、そこから問題文を訳して渡すということを考え、実行するという取り組みに至るには大きな隔たりがあります。「日本語で書いてある問題の意味がわからない!」問題を解く以前の問題であるこの声を聞くたびに、日頃の日本語学習をより能率的に、またテスト前の教科学習につながる日本語学習を、という意を強く抱きます。しかし、授業時数の減少に伴い、10年前の平均月10回通級から、今は月7〜8回、行事が多いと5〜6回になることもあります。
 通級時には日本語学習のみならず、学校でのことや家族や友人関係など相談や質問も多岐にわたり、更に生徒達は「先生、夕方何時迄でもいいから教えて」とか「休みの日に教えて」という声が上がってきましたそれは、中国の中学を卒業して来日し、高校入試を受けたいが日本語が全くわからない子ども、センター校を終了した高校生、大学生などいろいろなケースでした。
 そんな中で、昨年度からようやく月に1度希望する生徒達と日本語教室で向かいあうようになりました。しかし、1人では受け入れる生徒数、時間、継続等について限界がありました。そこでスタッフとなる人を集めようと思っていたところ、多文化共生センター、多民族共生人権教育センターと問題を共有することが出来外国からの多文化を背景とした中・高校生年齢の子どもへの教科学習支援教室構想がまとまりました。

2.活動内容 

 ボランティア養成講座の後「夏休みの宿題をやろう」から「土曜教室に集まろう」と続けています。当初子どもたちはなかなか自力で来ることができず、迎えに行っても待ち合わせの場所を間違えたりしました。そこで、通い慣れている日本語教室に場所を変え、ボランティアの方に普段の授業を見学してもらって子どもたちとの関係作りをしながら、進めています。今、8名前後のフィリピン、中国からの子どもたちが集まり、数学や英語の学習に取り組んでいます。それぞれが、「○○を勉強したい」と意思表示するように支援しています。

3.今後は?

 平日の緊張から解放される土曜日は「本当は遊びたい。でも、わからないことだらけの中でやはり勉強しなければならないかな。」と考えている子が出てきてその子がグループの中で影響力を持っていれば2、3名の子どもが「一緒に勉強しようか」となるようです。それは勉強の前後、母語で語り、母文化に安心して浸れる楽しさに起因するとみられます。中国人の先輩大学生が来て母語支援があったときは特に生き生きとしていました。支援している先輩学生もまた生き生きしているのを見て、子どもと先輩学生双方の持っている力を引き出す事ができていてそれが楽しさにつながっていると感じました。
 ここに来れば自分の勉強の相手をしてくれる人がいる。母語で話すことができる。このように自分のアイデンティティを確認できる場だと認識できるようにすることが現段階と考えます。
 身近な事を話しあったり、誰かに話しかけられたことばの意味を問うたりできる信頼関係作りと教科学習補助をより充実させることが次の段階と考えています。
 さらに、ボランティアも子どもも互いに自分の持てるものを出し、楽しめる場でありたいし、互いに学びあい、そのことが社会性につながるものだと考えます。
 方向性を確認していくミーティングや記録、参考図書教材の整備、母語話者の参加といったことを進めながら、子どもたちと共にゆっくり歩んでいきたいと思います。気軽にのぞいてみてください。
 毎月第2・第4土曜日の午後2時〜4時まで、場所は阿倍野中学校日本語教室です。

学習支援教室ボランティア 坪内 好子

【参考】

■近年、我が国の学校で学んでいる日本語指導の必要な外国人児童生徒が急増し、約5,000の公立学校に約19,042人(平成15年9月現在)が在籍している。また、外国人児生徒の母語(第一言語)は59言語にわたっている。(文部科学省HPより)

■小・中・養護教育諸学校合わせて約340校を擁する大阪市内においては198名(平成16年5月1日現在)日本語指導が必要な外国人児童生徒が在籍している。(大阪市教育委員会平成16(2004年度)「帰国・外国人児生徒と共に進める教育の国際化推進地域」中間報告書より)

 

 

ホームへ オピニオンページへ ニュースページへ 組織について リンクページへ