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2006年を迎えて
新年明けましておめでとうございます。
昨年一年間の会員の皆様方、関係者の皆様のご支援ご協力に対しまして、センターを代表し心より御礼申し上げます。
おかげをもちまして、例年の事業を滞りなく終えることができました。
2005年度は、新たに田中理事、小頭理事、内海理事をお迎えし、より強力的に企業会員の皆様のニーズに応えるべく意見や助言をいただき、これからの当センターの方向性や会員拡大に向けても力強いご協力をお願いしているところです。また、企業学習会ではグンゼの野崎会長から新光証券酒井新会長へのバトンタッチが行われ、新役員の方々ともども、前年度に引き続きご尽力いただき積極的な事業協力も行っていただきました。
昨年の研究集会は、初めての試みでしたが、4つの分科会をそれぞれの専門分野の方に担当していただき、企画から講師の選定、運営と携わっていただきました。「一昨年よりも専門性が高められた」の声をいただいた反面、初心者の方にとっては期待に添えなかった部分もあり課題となっています。これからもより多くの方々を会員として迎えるにあたりまして、担当者の交代による初級研修の開催をはじめとしたさらに細やかな取り組みの必要性を感じております。そして9月のリーダー育成一泊研修会におきましては、企業学習会役員の皆様に企画・運営をリードしていただき、グループ討議では、てらいのない率直な意見が聞かれました。こと外国人問題研修に関しましては、企業により温度差があり担当者も腐心されているところです。企業の中での先行例や成功、失敗を含めた実践報告を行える機会を企画できればと思っています。啓発セミナーにおきましても、中国人帰国者問題・東アジア共同体構想・脱北帰国者支援等時事にかなった、若しくは先行した内容に取り組んでまいりました。外国人問題も多岐にわたり複雑化する中で、その問題性と課題を見抜き、どのような内容の研修として取り組むのか、精査してまいりたいと思います。
昨年は、1905年第2次日韓協約(朝鮮半島の外交権剥奪、実質の朝鮮半島支配)100年、戦後60年、1965年日韓条約40年という大きな節目の年でした。振り返ってみますと1月には「公務員管理職への国籍条項は合憲」判決が最高裁で、また5月には大阪地裁での「旧植民地出身高齢者の年金補償裁判」判決があり原告敗訴が言い渡されました。その原告の1人は勝訴を見ることなく、亡くなられました。これらの判決は、私たち在日外国人の夢や希望を打ち砕くだけでなく、歴史を顧みない傲慢さを露呈した、共生とはほど遠い判決でした。このような裁判結果が国民意識を育み、小さな子どもにいたるまで、排斥意識を知らず知らずに育むのではないでしょうか。
また、昨年暮れにはアフリカ系アメリカ人の入店拒否裁判が結審しました。今月末には注目の判決が出ます。原告と容疑者の言い分は真っ向から対立しており、人種差別も絡んだこの事件を裁判所がどう判断するのかしっかりと聞きたいと思っています。
外国人排除の根底には、「外国人は犯罪者予備軍である」という考え方や、リスク対象としての警戒心から、「外国人の立場に立って物事を考える」という想像力の完全な欠落があります。宿泊にきた外国人から一律にパスポートのコピーをとったり、外国人が乗ってきた車のナンバーを控えて警察に通報するなど、多くの外国人が不条理な仕打ちに対して我慢を強いられている現実があります。インターネット上では相変わらず2ちゃんねる等で匿名での差別投稿が続き、若者たちが「シナ人」「チョン」「半島人」「クロンボ」といった差別語を広めているという実態もあります。センターにもいやがらせを目的としたメールが送りつけられるということがありました。姿の見えない差別意識が蔓延している社会で、外国人を排斥しようという陰湿な動きがますます浮かび上がってきています。
昨年12月には東アジア共同体構想を視野に入れた東アジアサミットが開催されました。
日本はアジアに帰ってくるのでしょうか。東の隣国アメリカではなく、西の隣国アジアの国々と共同体構築の為に日本のリーダーシップが問われています。多くの多様性を認め合わなければ始めることさえできない東アジア共同体構築に向けて、まず国内の多様性とどう向き合うのか、政府としての施策や法整備等が早急に求められます。
今年は多民族共生人権教育センターの活動に、多くの人、機関を巻き込み連携を強化していきたいと思っております。人権の視点を常に忘れず、多くの人たちに発信し提供できるセンターとして、スタッフ一同邁進してまいります。本年もどうぞよろしくご支援ご協力をお願い致します。
多民族共生人権教育センター 理事長 李 美葉
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