多民族共生人権教育センター
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ニュース 大東市眼鏡店アフリカ系アメリカ人入店拒否訴訟 控訴審判決を受けて(山根健二さん)

大東市眼鏡店アフリカ系アメリカ人入店拒否訴訟 
控訴審判決を受けて

 先日、大東市眼鏡店入店拒否事件について大阪高裁での控訴審判決があった。判決では一審を一部変更して眼鏡店主に35万円の賠償命令が出された。一審より前進したことを素直に喜びたいし、当事者のマクガワンさんや弁護団、支援者の皆さんの努力に感謝したい。

今回の事件は、店主の差別発言が証明できるかどうかがポイントだった。その証明に弁護団は力を注いだ。第三者の証言がないし、マクガワンさんの友人も日本語がわからない状態での証明。それを見事に証明した弁護団の努力に感謝するばかりだ。

もう一つのポイントは、マクガワンさんの心を傷つけた言動は人種差別だとする訴えを裁判所がどう判断するかだった。しかし、これについてはすべて否定された。きわめて不当な判断である。現在の裁判では、差別をされた者が差別されたことを証明しなければならない。第三者の証言がない場合「そんなこと言っていない、聞き違いだ」と言われれば証明は極めて不可能に近い。

結局、今回の判決においても不法行為と認められたのは、入店を拒否したという明確な事実のみで、「黒人嫌い」などの人種差別発言の存在については一審を支持して認めなかった。

今回の判決が一審判決に比べて前進したことは事実である。そのことは、35万円の賠償を認めたことに表れている。大阪高裁の田中裁判長は、「差別的意図は認められないが、原告を追い払う身振りをするなど理不尽な行為があった」と認めた。更に「社会通念を逸脱した攻撃的行為で、不快感を与えるだけでなく慰謝をするに値する不法行為」との判断を示した。店主の入店拒否行為を「不法行為」として厳しく指弾したことは大きな前進と言える。

部落解放共闘は、民族差別と闘う大阪連絡協議会の要請を受けて一審からこの裁判の支援に取り組んできた。昨年12月末の共闘総会でもマクガワンさんからの訴えを聞いた。彼の日本語は決して流暢とは言えないが、紙に書いて一生懸命訴えた。その姿は多くの総会参加者に感銘を与えたし、日本社会の多民族・多文化共生の必要性を痛感した。同時にその実現の難しさも実感した。

今回の裁判を通じて、日本社会の人種差別の現状を知ることができたし、その解決への取り組みが不十分であること、法的整備がなされていないことを痛感した。日本は1995年人種差別撤廃条約に加入した。国内法の整備もしくは新たな立法を真剣に考えなければならないと思う。昨年、宮崎でひらかれた日弁連人権擁護大会で「外国人・民族的少数者の人権基本法要綱試案」が発表されたが、国内における人種差別禁止法の制定へ大いに論議と行動をおこす必要がある。部落解放共闘も共生社会の実現へ努力したい。

部落解放大阪府民共闘会議 事務局
次長  山根 健二

 

 

 

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