多民族共生人権教育センター

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 日本の歴史を振り返ると、20世紀の初頭に朝鮮半島を侵略し、第2次世界大戦まで植民地支配を続けておりました。戦後は、在日朝鮮人に対するいわゆる「戦後処理」を誤り、「差別・排外」を基軸とした政策がとられ、在日朝鮮人は再び苦しい生活を強いられました。近年、こうした政策に若干の改善が加えられていますが、それでも基本政策には大きな変化はなく、まだまだ在日韓国・朝鮮人が朝鮮人として普通に生きていける社会は実現していないのです。

 この問題が解決されないまま、20世紀の後半には、短期間に「外国人」が急激に増加したため、全国各地で日本人との間で大きな問題が発生し始めたのです。「外国人」の処遇のあり方は過去、在日韓国・朝鮮人間題で経験しているのですから、その教訓を生かせば問題は最小限にできたはずです。しかし、残念なことに「差別・排外」の教訓だけが生かされ、「外国人」差別が繰り返されているのが現実です。

 さらに21世紀の初頭に日本を待ち受けているのが、かつてないほどの規模で移入してくる外国人労働者問題です。日本人の大半は、彼らを少子高齢化の「補助要員」と見ているようですが、それは明らかに間違いです。彼らは、まさに少子高齢化社会に突入する日本の「救世主」的存在なのです。又、彼らは単なる労働者ではなく、自国を離れて「移民」してくる人々です。「移民」は移民国に根を張って生きていくのは当然で、それに対応しようとすれば、移民との「共生」を図らねばなりません。そのことを考えれば、21世紀の日本社会には「多民族共生社会」が必要とされております。

 ここで、「企業と人権」についても触れておかねばなりません。21世紀の日本社会は大量の外国人が移民してきますが、彼らが企業に及ぼす影響は計り知れないものがあります。少なくとも、日本の企業の労働者のうち外国人が占める割合は年々高まることは確実で、50年後には3人に1人が移民労働者となるでしょう。そうしたことからも、今後、企業にとって人権問題はますます、その重要性を高めていくものと思われます。これからの企業は人権問題を企業活動の根幹に位置づけ、自立的に取り組むことが求められます。小手先で人権問題に取り組んでいては企業イメージが下がり、結局、企業活動もうまくいかない時代が到来するのです。

 私たちは、皆様と協働して「外国人」の人権尊重を浸透させ、21世紀の早い時期に差別のない「多民族共生」社会を形作っていきたいと考えています。